ダビンチの子孫発見の謎。子供はいなかったのに何故?

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skeeze / Pixabay



Yahoo!ニュースを見ていたら、「ダビンチの子孫発見 存命35人」と書いてあって、変だと思いつつもクリックしてしまった。何故変に思ったかというと、ダ・ヴィンチその人に子どもはなく、それゆえ「子孫」と呼ぶべき存在は実在しないはずだからである。

よくよく記事を読んでみると、やはりレオナルド・ダヴィンチの兄弟からつづく系統を追跡した結果のようだった。それゆえこのニュースは「レオナルド・ダ・ヴィンチという存在を構成した遺伝子の一部を共有する人物が存在することがわかった」というのが正しい。

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小室哲哉は佐久間象山の子孫?

これは以前、小室哲哉が「自分は佐久間象山の子孫であると伝え聞いている」とツイッターで発言したときにも、沸き起こった議論である。子孫というのは読んで字のごとく、子どもから孫、そしてひ孫と続いていくひとつの山脈をさす。

この小室哲哉の子孫発言も、佐久間象山にもまた子どもがいなかったため、子孫であるというのは間違いではないかというご本人へのリプライが多々あった。ゆえにこのケースにおいても「佐久間象山を生んだ血脈を共有する、そこに属した人物の子孫である小室哲哉」というのが正しい認識となる。

もっとも、思わず「子孫」という言葉を使ってしまう感覚はわかる。子孫という言葉には、遠い昔に実在した人物と直接つながっている感覚を強くする響きがあるからだ。誤用ではあるが、昂奮してそのような言葉を使ってしまうのもまた、仕方がないのかもしれない。

NHK「ファミリーヒストリー」の魅力

ちなみにレオナルド・ダ・ヴィンチの話に戻ると、1973年からはじめられたこの調査によって、そのようなひとたちが現在35人存在するのだという。35人と言う人数を多いと見るか少ないかと見るかはさておき、よく調べたと思う。具体的な調査方法としては、イタリアをはじめとするヨーロッパ各地において、教会や議会、あるいは不動産に関する文書を調べ上げ、そこから家系図を作り上げたというから、手間と時間がかかる作業である。

家系図といえば、現在NHKの「ファミリーヒストリー」が人気である。これなども、日本各地を巡り、寺院や旧家に伝わる文書や口伝を元に調査を進めていく。

伝え聞いていた話が思いがけない形で展開したり、思いがけないところに行き着いたりする。当事者である出演者はもちろん、見ている者にとっても、この番組にはぐいぐいと惹きつける何かがある。

自分はどこから来たのかを知りたいと思う、人間という存在

なぜなら、家系を追うということには、大きなロマンがあるからである。自分という存在を構成するものがどこからきたのかを知りたい。その一念から調査は進められるが、前述したようにそこで展開される数々のドラマは、遠い先祖が確かに実在したということの証に他ならない。

自分がどこからきたのか。それを探る行為は、自分が小説や映画の主人公のように、「大きな物語」のなかに入り込むような感覚を持つはずだ。自分は決してひとりではなく、「血統」という、大きな網目を構成するひとつの結び目であることを知るのである。

人間、ある程度の時間を生きていると、嫌でも自分の存在とは何かを考えることになる。そして、自分がどこから来たのかに思いをはせるのだ。そのような思いが「子孫」という言葉の誤用にもつながるのではないか。Yahoo!ニュースの「ダビンチの子孫発見 存命35人」のニュースをみて、わたしはそんなことを思った。

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