分野を問わず、成功者といわれるひとの共通点とはなにか。それは、自分が達成したいと願う目標や叶えたい夢をあきらめずに、やりつづけた人である。要するに、やめることなく、続けたということだ。
この世界は、残念ながら願っているだけでは現実が動かないようになっている。実際に頭や手足を使って、自分が目標とする状態へ向けた具体的行動を行なっていくしか、夢は叶わないのである。行動に移さなければ、何一つとして現実のものとはならない。簡単な理屈である。
だが、それが難しい。口で言うのは簡単であっても、それが出来ないのが一般的な人間である。頭ではわかっていても出来ない。あるいは解ってはいるけれど、悪い習慣を断ち切ることが出来ない。わたしたちの毎日は、そんなことの連続である。
出来ない自分を責めても、何の利益もない
このような状態が続くのは、精神衛生上よろしくない。何故なら、意識と行動がずれることになって、ああなんて自分はだらしがないのだろうという気持ちでいっぱいになって、だんだん自分のことが嫌になってしまうからである。
自分のことを嫌いになってしまうのは、絶対にやってはいけないことである。何故なら、そのことによって成功への道がふさがってしまうからだ。自分を信じなくて、どうして努力が続くというのか。あるいはそれ以前に、夢を持ち、目標を立てることができるというのだろうか。目標を達成するために必要なのは、ただやる気を出すだけではなく、戦略的にそれに立ち向かうという考え方なのである。
では、どうすれば実際に目標へとつながるための行動を、日々の生活の中で無理なく実行し続けることが出来るようになるのだろうか。簡単である。習慣にしてしまえばいいのである。
目標達成のために必要なことを習慣化してしまう
夢や目標というものは、得てして現在の自分の現状とはかけ離れたものであるが(それだからこそ夢や目標なのだが)、夢や目標をかなえるためにはいま現在の状態から一歩ずつでもいいから近づいていかなくてはならない。要は努力をして、ギャップを埋めていかなくてはならないのである。では、ギャップを埋めていくための努力を効率的に行う方法はないだろうか。
そのためにもっとも効果的なやり方は、いま行なっている習慣に、これから継続的にしたいことや新しく身につけたいことをくっつけることである。
日常生活の中の、嫌がおうにも生じる時間にくっつける!
例えば、英語の勉強をしなければいけないとする。その時、いきなり英会話スクールに通うのは、やはりハードルが高い。もちろんそれがもっとも英会話マスターへの近道であることはたしかなのだが、勢いだけで入学を決めるとただやる気が空回りするだけで、結局は行かずじまい、自分はダメな人間だと責めるばかりで終わってしまう結果になる。これは最悪のパターンである。では、どうすればいいのか。
英語学習だったら、まずは通勤・通学時間を利用して、会話を聞くなり文章を読むなりして、英語の勉強をすることから始めるのだ。移動時間は、毎日の生活の中で嫌がおうにも生じる時間である。そう、この逃れることが出来ない時間に、英語学習というものを、「くっつけてしまう」のである。
これは、思った以上に効果的なやり方である。現状、ただ電車に揺られているだけの時間に、わずかばかりでも、身についたらもうけものという気楽な気持ちで始めてみるのである。
習慣化してしまえばこっちのもの!
するとどうだろう。人間というのは不思議なもので、続けているうちに、だんだん楽しくなってくる。そのうちに、しっかりやらないと気持ちが悪いというふうにもなってくる。そうなったらしめたものだ。すっかり習慣になるのである。
目標を達成し、成功するためには、とにもかくにもやめないことが大前提となる。そのためには、目標と現状との間のギャップを直視して、それを埋めるための行動を習慣化して、ひたすらやめずにつづけていくしかないのだ。