『警察捜査の正体』原田宏二/著

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組織的な裏金システムが存在し、市民の無知につけこんだ法的根拠の無い捜査と取調べが横行し、検挙率の水増しも平気でおこなう。
どこの国の警察の話かと思うが、日本の警察の話である。

著者は、北海道警察元警視長で、2004年に北海道警察の裏金問題について告発したことで知られる原田宏二氏だ。
元警察官ということもあって、警察が抱えている問題点の指摘は、細部にまでわたる。

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本書の中からいくつか警察捜査の問題点を具体的に示してみよう。
警察関連のニュースでよく聞く言葉に「任意同行」というものがある。
容疑者であることが強く疑われる者に対して、逮捕状を請求できるだけの疎明資料がない場合には、取調室に連れてきて、自白させる必要がある。
そのために、「任意同行」はおこなわれる。
捜査線上に浮かび上がっている人物を、取調室まで連れてくるわけだ。
多くの冤罪事件は任意同行から始まる。

例えば、ある日の朝、突然、警察官から「署まで来てくれ」と言われる。
どんな人にも、その日のスケジュールがあるはずだ。
会社員だったら会社に出勤しなければならない。
そういった事は一切無視され、半ば強制的に車に乗せられて、警察署に連れて行かれるのだ。
刑事訴訟法によれば、任意同行は拒否できる。
しかし、警察は相手の無知につけこんで、こういった違法な捜査をおこなっているのだ。

任意同行に応じた者は、警察署で「事情聴取」されることになる。
「事情聴取」という言葉も、ニュースでよく見聞きするが、これは刑事訴訟法には全く規定がないものである。

今後、警察の権限はさらに強まることになる。
刑事訴訟法の改正や通信傍受法改正、さらに仮装身分捜査や会話傍受なども可能になってくる。
仮装身分捜査とは、警察官が身分を偽って捜査する捜査手法のことである。
こうした捜査が横行すれば、さらなる冤罪事件の温床となるだろう。

では、今後、警察とは、どうやって付き合っていけば良いのだろうか?
警察が違法な捜査を行なっている以上、国民には多くの拒否権が与えられていることをまず知っておいたほうが良い。
任意同行、事情聴取、職務質問を求められたら、拒否できるのである。
本書は、具体的な警察対応マニュアルとなっているので、是非本書を読んで警察から身を守る技術を習得してほしい。
冤罪を擦り付けられたら、たまったものではない。
「警察と泥棒は紙一重」という言葉があるが、まさにその通りだ。

警察捜査の正体〈電子書籍Kindle版もあります〉
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