『同僚に知られずにこっそり出世する方法 社内政治を使いこなす7つのルール』ブレンダン・リード/著 酒井泰介訳

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出世をするのは簡単だった!無能でも出世をする方法とは?


成功の秘訣とは何だろうか?
勤勉、努力、情熱…。このような要素が、成功の秘訣だと思うのは、間違いである。
あなたの会社で、役員まで昇りつめた人を、よく観察してみてほしい。
無能なのに出世している人は、いないだろうか?
確かに出世する人には、勤勉で、努力を惜しまず、人一倍の情熱を持っている、非常に優秀な人が多い。
だが、その一方で、さして優秀ではない人たちが出世していることに気付くだろう。
彼らはどうやって出世したのだろうか?

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出世をしたければ、社内政治に参加しろ!

さして優秀ではない彼らが出世できた理由は、社内政治のおかげである。
ある程度の人数が集まると、必ず、社内政治が生まれるものなのだ。
洋の東西を問わず、こうした現象は見られる。
企業環境そのものに、内在化されたものと言えるだろう。

社内政治のおかげで出世した「無能なエグゼクティブ」に反感を持ったり、嫉妬したりする人は多いだろう。
しかし、そういった感情は何も有益なものを生み出さない。
彼らに学ぶ姿勢を持とう。

無能であるのにも関わらず出世できた彼らの、成功の秘訣を真似ることで、自分も出世の階段を昇ろうではないか。

このように考えてみると、社内政治は、天分に恵まれていない凡人にとって、黄金のサバイバル戦術と言える。

出世をするには、ルールがあった!

本書は、会社で出世するルールを示した本である。
出世する人と、出世しない人のケースをそれぞれ具体的なエピソードをまじえて、解説しているので、とても読みやすい。
翻訳もこなれていて、いい味を出している。

試しに、本書で述べられている「有能なのに出世できない人の特徴」を示してみよう。
・頼られ屋
・情熱家
・剛腕マネジャー

これらのタイプに分類される人は、有能なのに出世できない。

上司にいいように利用されていないか?

解説を加えていこう。
「頼られ屋」は、どんな役員でも一人や二人、自分の手下に抱えているものである。
そして、部署の中では、とっておきの人材として、みんなから一目置かれている存在である。
こうしたタイプは、仕事人生を自分の上司に捧げてしまう形になってしまっている。
上司が出世できれば良いが、そうでなければ、自分の出世の機会も奪われることになる。上司にコキ使われる割に、リーダーシップを発揮する場に恵まれないので、評価されにくいのだ。
また、部内にとって必要な人材であるがゆえに、上司が手元から離さないので、他の部署で昇進するチャンスを奪われてしまうこともある。

ビジネスでは、いかに自分がいいポジションをとるかが勝負

「頼られ屋」は、本人としては気分が良いのが問題である。
人から頼られるのは、決して悪い気持ちはしない。
だからこそ、有能な人が陥りやすい、大きな罠と言える。

「頼られ屋」と同じく「情熱家」も有能なのに出世できないタイプである。
情熱家は、自社についてのアイデアや戦略を持っており、それを公言し、時折周囲と論争をすることもある。
自説や自分の計画に思い入れが強いのは、キャリア戦略上、とても危険である。
こうしたタイプは敵を作りやすく、社内政治で蹴落とされるだろう。

最後にあげられた「剛腕マネジャー」についても説明しておこう。
剛腕マネジャーは、部下を徹底的に管理し、目標を達成させるのに、一生懸命な人である。
勤勉で優秀な部下ばかりなら、それで成果は上がるだろう。
しかし、凡庸な部下ばかりだったら、どうなるだろう?
パワハラのように受け取られて、「和を乱す」ものとして誤解されることになる。

これを読んでみて、自分にも当てはまりそうだ、と思った方は要注意である。

あくまで「社内」で出世するために必要なこと

逆に、社内で出世するタイプは、
・何でも屋
・評論家
・羊の皮をかぶった狼
以上の三タイプだと著者は書いている。その詳細については、本書を読んでよく学んでほしいと思う。

「自分の考えに入れ込まない」、「人の責任を問い詰めずに、手助けをする」、「日常雑務をこなすより、目立つ仕事をする」。
こういったことが、社内政治を味方につけ、出世する秘訣である。
精神論的で理想論ばかりの自己啓発書を読むよりも、こういった本を読んで、狡猾になることも必要である。

同僚に知られずにこっそり出世する方法 社内政治を使いこなす7つのルール〈電子書籍Kindle版もあります〉
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