『社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門 』駒崎弘樹/著

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ソーシャルビジネスって何?NPO団体って、ボランティアじゃなかったの??


最近、ソーシャルビジネスという言葉を、よく目にするようになった。
ソーシャルビジネスという言葉を見て、連想するのは、NPO、ボランティア、慈善事業、社会福祉、介護、支援・・・といった言葉である。

ソーシャルビジネスというと、お金を受け取らずに、介護とか福祉とか支援といった事をしているイメージがあるのではないだろうか?

はっきり言って、よく分からない、というのが実際のところだと思う。

本書を読めば、ソーシャルビジネスとは何かが明確になると思う。
この本は、ソーシャルビジネスの若き旗手として知られる、NPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹氏によって書かれたものだ。
したがって、大変実用的なものに仕上がっている。

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NPO=ボランティア、手弁当で活動は間違いだった!

駒崎氏によれば、そもそもソーシャルビジネスとは、社会的課題の解決を目指す事業のことであるという。
ソーシャルビジネスを行なう団体は、主として特定非営利活動法人という法人組織によってなされるものである。
特定非営利活動法人というよりも、NPO法人(Not-for-Profit Organization)といった方が身近に感じるだろうか。

NPO法人は、ソーシャルビジネスを通じて、収益を得ている。
ソーシャルビジネスというと、お金がかからない、と思っている方は多いと思うが、それは誤解だ。
「それでは非営利団体ではないではないか!?」と思われるだろうが、非営利とは、利益を得てはいけないのではなくて、利益追求のために存在するのではない、ということである。
営利団体が利益を株主等に分配するのに対し、非営利団体は利益を株主等に分配しない、ということだ。

NPOは、非営利だからこそお金の問題が重要になる

著者によれば、非営利団体だからこそ、マネタイズ(お金を生み出す仕組みづくり)は非常に重要だという。

ソーシャルビジネスを継続的に運営していくためには、お金が必要なのである。
しかし、営利団体のビジネスでは、彼らが提供するモノやサービスに対して、それを受け取った側がお金を払うのに対して、NPOのビジネスでは、その受け手はホームレスだったり難民だったり子どもだったりして、直接お金を請求できない場合が多いのだ。
こうして考えてみると、NPOのマネタイズというのがいかに重要なのかが見えてくるだろう。

NPO団体、ソーシャルビジネスを始める前に読むべき本

本書が優れているのは、お金の事を非常に細かく、具体的に記載していることである。
収益モデル、事業計画のつくり方、ウェブの利用方法、資金の準備、スタッフの確保など、ソーシャルビジネスを始めるときに必要となることを始めから丁寧に教えてくれる。

ソーシャルビジネスを始める上で、本書ほど実用的で有用な書物は、なかなか無いであろう。
ソーシャルビジネスに関わってみたい方や、ソーシャルビジネスとはどういうものか知りたい人には是非読んでほしい一冊だ。

社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門 〈電子書籍Kindle版もあります〉
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