渡辺直美が支持され、とにかく明るい安村が非難される理由 『ぽっちゃり女子のときめきDays』 いしい まき/著

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渡辺直美なる人物がいる。表情豊かで、たいそうふくよかな体型をされている。こういっては失礼だが、ふつうの世間一般の価値観で判断すると、どうして人気が出るのか解らないが、彼女のインスタグラムは、若い女性たちの間で大変な人気があるという。彼女はかなり極端な体型かつ服装をしているのでファッションの参考になるとも思えないのだが、どっこい多くのフォロワー数を誇る。

なぜ、女の子たちは渡辺直美を支持するのか。それは、女は細くあらねばらない、それが美しいということだという大きな抑圧の裏返しではないかと、わたしは考える。

渡辺直美のその奇抜なファッションが支持されるのも、人目を気にしないで自由に振る舞いたいという思いの表れであるだろう。要するに彼女たちは、自分がしたくても出来ないものを渡辺直美に仮託しているのである。

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とにかく明るい安村の不倫が非難される理由とは

これは、同じく芸人の「とにかく明るい安村」にも、同じことがいえるだろう。裸を売りにしているのに、まったく鍛えられていないあの締りのない体は、ああ別に特に努力をしなくてもいいんだという思いを抱かせるのに十分だ。

そう、渡辺直美にしても、とにかく明るい安村にしても、彼らいわゆる癒し系なのである。要するに、彼らの存在を目にすることで、自分は別に今のままでもかまわないという気持ちになるのだろう。わたしたちは、それだけストレスフルな社会で生きているのである。

だがそれゆえに、とにかく明るい安村の週刊文春による不倫スクープ報道には、皆が幻滅してしまったのである。

これはベッキーの「ゲス不倫」にも言えることだが、癒し系の人物は品行方正であることをまわりから期待されてしまうので、不倫など、もってのほかなのである。さらに、不倫をしたという事実に対して、言い訳をせずにその場で認めることもなくはっきりとしない振る舞いをしたことが、さらなる非難につながったのは言うまでもない。残念ながら、彼らの前途は多難であるだろう。

ぽっちゃり女子の魅力的な毎日

さて、本書ぽっちゃり女子のときめきDays<ぽっちゃり女子のときめきDays> (コミックエッセイ)は、太目の女の子、著者がいうところのぽっちゃり女子の日常とその思いを描いたコミックエッセイである。本書は、全編においしそうに食べ物を食べて、のんびり暮らしているさまが描かれていて、読んでいて楽しい本となっている。本書を読むことで癒されるのは、前述のとおり、著者が社会からの圧力から自由に生きているからに他ならない。

全体の構成はほのぼのとしたものなのだが、一箇所だけ、熱いメッセージがこめられている部分がある。それは、自分に自信をもつことの大切さを述べているシーンである。

コンプレックスを言い訳にしない

著者は、太っていることを異性にもてないことの言い訳にしていたが、柳原可奈子をはじめとする「太っているのにいきいきとしていて、かつ人気者のある人物」を見て、大切なのは自分に自信をもつことであるということに気がつく。

これは、まったくそのとおりである。どの自己啓発書を読んでも、自分に自信を持つこと、つまり、健全な自尊心をもつことの大切さが述べられている。渡辺直美を思い出してみるといい。いつどんな時であっても、実に堂々としているではないか。だからこそ、渡辺直美は支持され、輝いているのである。

だがそれとは反対に自分に自信がない人は、何をしても卑屈になってしまう。そうなると、あらゆることに対して引っ込み思案になってしまって、せっかくのチャンスもふいにしてしまうということになる。

著者は、太っている人の場合は、自分が上手くいかないことのすべてを体型のせいにしてはいけないと述べるが、この指摘は、太っている人に限らず、なかなか人生がうまくいかないすべての人へのメッセージともなっている。

渡辺直美に学ぶ、自分に自信を持つことが大切さ

わたしたちは、自分がコンプレックスを持っているものに、自分の人生がうまくいかないことの原因のすべてを押し付けてしまいがちである。体型が気になる人はすべてを体型のせいにしがちであるし、また学歴やお金にコンプレックスがある人は、自分がうまくいかないのは学歴が人よりも劣るからだと判断しがちである。

だが、それらの思いは、たいていは的外れなものである。原因はもっとほかのところにあるのである。人生における困難というものは、たいていは自分に自信をもつことで乗り越えることが出来るものである。

自分のコンプレックスを体よく自分の人生が上手くいかないための言い訳に利用していては、いつまでも人生は前に進まない。すべては自分の心がけ次第で楽しくもなるし、つまらなくもなるのである。

渡辺直美がモデルのぽっちゃり女子専門ファッション雑誌「la farfa(ラ ファーファ)」

最後に、本書の著者の鋭さを指摘して、本書の案内を結びたい。本書において、著者はぽっちゃり女子専門ファッション誌「oh-Debu」なるものを想像(妄想?)している。

おしゃれをしたいが、なかなかフィットするサイズの服や参考になるコーディネートを掲載しているファッション雑誌がないという悩みから生まれた発想なのだろうが、その後2013年にぽっちゃり専門ファッション雑誌「la farfa (ラ・ファーファ)」が創刊され、ぽっちゃり女子からの熱い支持を得ている。

表紙は、もちろん渡辺直美。著者の想像力は、時代に先駆けていたのである。

ぽっちゃり女子のときめきDays<ぽっちゃり女子のときめきDays> (コミックエッセイ)
ぽっちゃり女子のときめきDays<ぽっちゃり女子のときめきDays> (コミックエッセイ)

la farfa【ラ・ファーファ】2016年05月号 [雑誌]
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