信用・信頼を得るために必要な条件をまとめた本 『世界NO.1執事が教える“信頼の法則” 「信じていい人」「いけない人」の見分け方』 新井 直之/著

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本書は、執事サービスを提供する会社「日本バトラー&コンシェルジュ」を経営している著者による、信頼を構築するために必要な考えについて述べられた本である。

執事というと、大金持ちのキャラクターが出て来るドラマやマンガの中でしか目にすることはないが、この現在日本においてもそのような暮らしをしている人々がいるという。世の中というものは、本当に広いものである。

さてその執事サービス、一般的なイメージ通り、いわゆる「富裕層ビジネス」として位置づけられるものである。利用者は当然お金持ちに限られるのだが、これがまたすごいのだ。顧客の年収は5億円以上、資産にいたっては何と50億円以上というから驚きである。

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執事の仕事とは何か、そして、信頼とは何か

そもそも、執事の仕事とは何か。それは顧客の身の回りに気を配ることであり、また同時に顧客を守ることである。守るといっても、別にボディーガードのような護衛をするわけではない。その資産に目をつけて近づいてくる有象無象の輩から、顧客である大富豪を守るのである。世の中には、金のにおいをかぎつけて、うまい話を持ち込んでくる人間がいるものである。そのような者を不用意に近づけない執事の仕事は、重要な業務となる。

さて、執事とはその性質上、顧客から信頼を得ないと成り立たない仕事である。特に資産何十億もの大富豪ともなれば、自分の秘密をいろんな所で吹聴されるのは困る立場であるのは言うまでもない。

資産に関することからよりプライベートなことにいたるまで、外に持ち出されては困る情報は、数多く存在するはずだ。執事という仕事は、そのような立場にある顧客の秘密を守り、さらには預金通帳と印鑑といったものをも管理することもあるという。そう、執事の仕事とは、信頼を勝ち得ることがすべてであると言っていいのだ。本書は、まさにそんな「信頼のプロ」ともいえる執事サービスを提供する著者が、自分自身が信頼を受けるための作法や信頼できない人の見抜き方などをわかりやすく解説していく。

信用できない人を見抜くには

それでは、本書を通読して、面白かった箇所を紹介してみたい。
第2章において、「信頼できない人のダメ習慣」として12項目があげられているのだが、これがなかなか実用的だ。この中から、いくつかをご紹介したい。

まず、これはよくあるパターンだが、「ここだけの話」と言って、話を切り出す人がいる。
特に営業において、お客さんだけを特別扱いしている事を伝えるためにこのようなセールストークを使う人が多いが、これはいけないという。

こうした物の言い方は、特に言われた側がお金持ちだったり、あるいは高い地位にある人である場合、このような言葉を耳にすると、よそでも同じことを言っているのではないかと疑ってしまうというのである。要するに、自分が契約をしたときに、この人物は他の顧客を獲得する際の営業トークとして自分の話を持ち出すのではないか、自分の秘密を漏らされるのではないか、と考えてしまうというのである。「ここだけの話、○○商事の会長さんも、こちらの事業に関わっています」というような形であちこち言って歩かれては、たまったものではないだろう。

秘密の共有は人との間に信頼関係を生む面があるのはたしかではあるが、ことビジネスにおいては「ここだけの話」をするのではなく、誰に聞かれても困らないような説得の仕方をするべきである。

信用できない営業マンの特徴

さらに、このような事例も書かれている。「一度、ご挨拶に伺いたいと思いまして…」という言い回しである。これもまた、禁句であると言う。

この言葉を口にする多くの人物は、本当は挨拶をすることが理由ではなく、実は営業が目的であるにも関わらず、敢えてこのような言い方をするものだ。訪問理由があらかじめ明確になっていない者の来訪は、受ける側からしてみたらその意図がわからないがために不信感を持つものだ。このようなアプローチの仕方もまた、けっしてプラスにはならないのである。人と面会する時は、あらかじめはっきりとした理由を相手に告げるべきであると述べられている。これも、まったくそのとおりだと思う。

3つにまとめるは間違い?

また、一風変わった忠告として本書に書かれているのが、ビジネストークで「3と8を使ってはいけない」という項目があり、これが面白かった。

日本人は、昔から3と8を言い回しの中に好んで使う傾向にある。3がつく言葉だと、石の上にも三年、三日坊主、三日天下といったところであり、8ならば嘘八百、八百八町、八重桜、八百万(やおろず)などである。なぜ、ビジネストークで3と8を使ってはいけないのか?それについては、是非本書を読んで確認していただきたい。

本書は信頼関係を構築する上での服装や話し方などを簡潔に分かりやすく示したものであり、どれも実用的で、ビジネス上、心得ておきたいことばかりである。またなによりも、著者自ら信頼がすべてである執事サービスを提供する会社を経営している点に説得力がある。

人間関係の根本は、信頼関係がすべてである。本書は、すべての人に是非ご一読をお勧めしたい名著である。

世界NO.1執事が教える“信頼の法則
世界NO.1執事が教える“信頼の法則” 「信じていい人」「いけない人」の見分け方

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