『「頭がいい」とは、文脈力である。』齋藤 孝/著

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存
  • 0


著者は、頭の良さについて定義することから、本書をスタートする。頭のよさとは、ただの暗記で終わるのではなく、それを自分の言葉で語れることであり、かつあらゆる知識をつなぎ合わせ、新しい発想を生み出すことが出来ることであると著者は述べる。そしてそれを前提としたうえで、頭のいい人は「文脈力」がある、と論を展開していく。

では、文脈力とはなにか。それは、その場を支配するトーンをつかみ、つながることである。これは日常の会議から、時代における潮流まで、すべてにおいて言えるものなのだと著者は述べる。

スポンサーリンク

時代を読むにも、文脈力が必要

著者はエリートと呼ばれる人々を例にあげて、彼らが天下国家を我が事のように語るのは、自らを国家や歴史に重ねることで自分のスパイラルを上昇させるという点において、まさに「文脈を読む」行為をしているのであると説明する。このように「文脈を読む」というちからは、文字通り自分の意見を述べる場合においても、あるいは身の振り方という意味においても、自らのキャリア形成にも直結していく能力なのである。

状況を正しく判断しないと、徒労に終わることも

「時代の文脈」という言葉から思い浮かぶのが、「成功をしたいのであれば、上り調子のジャンルを選べ」という、よくあるアドバイスである。

上りのエスカレーターは、ただ立っているだけで次の階に連れて行ってくれる。だが、下っているエスカレーターに乗った場合は、いくら自分で駆け上がったとしても、上層階にたどりつくのは難しい。このように、個人の努力ではどうにもならないことというのが、この世界にはあるのである。

誰でも株で大儲け出来る時代がある?

例えば、株で一儲けを狙うと思ったとしよう。景気が拡大しているときは、面白いように儲かる。具体的な過去の例を挙げるならば、バブル景気と呼ばれた時代や2000年代初頭の数年間、あるいは第二次安倍内閣が始まってからの半年間は、どこの誰がやっても、面白いように儲かる相場だった。このころは、投入したお金を数十倍にすることも、やりようによっては十分に可能だった。なぜなら、市場そのものに活気が溢れていたからである。

だが、このような時期でないときに株で大儲けしようとしても、それはどだい難しい話である。景気が後退しているときに、同じことをして活況相場同様の成果を挙げることが出来るかといったら、それは無理だろう。時代に棹をさすなどというとなんだか格好いい気がしてくるが、余計な労力がかかるだけで、得るものは少ないのである。

文脈を読むことは、賢く生きていく上で必要なことである

以上、長々と例を挙げて物語ったのは、「時代の空気を読み、行動をすること」が、いかに大切であるのかということを、述べたいからである。同じ能力をもった人であっても、状況が異なればリターンが大きく違ってくるのが、この世界のあらゆるシーンでは起こるのだ。

このように考えると、いわゆる「空気の読める人」というのは、著者がいうところの文脈力がある人であるといえる。だが、それはただその場の支配的な状況にのって、当たり障りのないことばかりを言ってやりすごすというのではない。根底のテーマを押さえつつ、その中で自分独自の意見を通すことで評価を得ることこそが、「文脈力」なのである。

「頭がいい」とは、文脈力である。 (角川文庫)
「頭がいい」とは、文脈力である。 (角川文庫)

おススメ記事

Kindle Oasisおすすめレビュー。高いが「買い」である3つの理由

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

フォローする