会社経営に必要なもの、そのコツをまとめた本 『経営のやってはいけない!』 岩松正記/著

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会社を経営することの困難さは、従業員にはなかなか理解できないことだ。まず、知っていなければいけないことが、ずっとおおい。法律ひとつとってもそうだ。労働基準法を初めとする方の遵守はもちろんだ。だが、より経営に直結する知識という点においては、経営上に不利になることを知っておくことが求められる。特に中小企業は、社長がピッチャーとキャッチャーを兼ねているようなものであるから、いろいろと押さえなければなんらない情報が多くなる。だが、決して気を抜くことが出来ない。本書は、そのような抽象企業経営者に向けた、まさに「経営のやってはいけない」ことを列挙したわかりやすい本である。

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会社経営にもっとも必要なものとは?

まず、第一に、自分の会社の経営にプラスにならないこと、ずばり言えば、マイナスになるようなことをやならいこと。それだけで、経営は改善する。たとえば、社員が二人しかいないのに毎朝朝礼をしたり、報告書の作成と、決済の判子をつくことを義務づけていたりするのは、まったくばかげたことである。そんなことは、無意味だ。少人数の中小企業は、フットワークの軽さ、意思決定の早さが強みであるはずなのに、社長の自己満足のために、そんなことをしていたら、生産性が落ちてしまう。このような、やってはいけないことというのが、経営上、確実に存在するのである。

助成金は何でも申請すればいいものではない!その落とし穴とは?

その例として、新たに正社員を雇用することを条件とする厚生労働省関係の助成金の獲得について記述がある。このような助成金を申請・活用することは、一見するととてもいい話のような気がする。助成金と言うのは、返済する必要がないので、これは丸儲けであると思いがちだが、はやとちりをしてはいけない。正社員の場合は、社会保険を負担することになるのを、忘れてはいけない。実際、社会保険料の負担のほうが、大きくつくことになる、ということは、よく聞く話である。世の中には、なかなかうまい話はない。よくよく注意するべきだろう。

会社経営のタブーをまとめた、おすすめの一冊

また、本書における「やってはいけない事例」には、前述のようなそのものずばりのものから、逆説的な提案まである。例えば、著者はこれから起業するひとに対して、顧客を作ってから独立することをすすめる。ただ、小売りや飲食店の場合、これは不可能ではないが、難しい。だが、その反対に売り上げさえあればすぐに現金が手元に入るので、資金繰りと言う意味では、他業種よりかはいいだろう。

もっとも、起業するために業種を探すという段階で、起業かとしては失格かもしれない。どうしてもこれをやりたいという思いから、事業をおこすのが、普通だからである。石にかじりついてもやるという気概がある程度なければ、経営など、出来るものではない。本書は、そのような気概ある人々を助ける、役に足つ実用的な事例集である。

経営のやってはいけない!
経営のやってはいけない!

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