『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』八納啓創/著

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本書の著者は、各界の第一線で活躍する人たちの、住まいの設計に関わってきた建築士である。
こうした経験から、人が成功できるかどうかというのは、住まいの環境にある、という考えに行き着き、この本を手がけることになった。
著者は、家相や風水といった類の専門家ではない。
したがって本書は、そういった占いの類の本とは一線を画すものである。
建築士としての著者が、実際に、成功者の自宅を見て、感じたこと、考えたことを糧とし、その経験則によって得られたノウハウを本書は示すものであり、非科学的な内容の本ではない。
そういう意味では非常に説得力を持つものであり、私たちは謙虚に耳を傾ける必要があるものと思われる。

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著者によれば、成功する人は自分の住まいに非常に強いこだわりを持っているという。
普通に考えてみて、1日あたり平均13時間も、家の中で過ごすのだ。
このうち、最も多くの時間を割くのが睡眠時間である。

というわけで、まず、大切にしたいのが寝室である。
睡眠をきちんととれるかは、その日の活動に大きく関わってくる。
著者は、室内の程良い明るさに、強いこだわりを持っている。
私たちの体の持っている生体リズムに乱れが生じないよう、留意しているのである。

また、本書で示されている具体例で、「自分専用のデスクとダイニングテーブルを厳格に使い分けよ」という記述が、私は気になった。
勤勉な人ほど、ダイニングテーブルで食事しているときにも、ついつい仕事のことに頭がいってしまいがちである。
家族と食卓を囲んでいても、上の空になってしまい、家族関係が悪化してしまうことすらある。

それならば、自分専用のデスクを買い、そこでのみ仕事をするという習慣をつけたほうが、生活上メリハリがついて良い。

このように住まいのあり方は、家族の関係に大きな影響を及ぼしていくものである。

そして本書で最も丹念に読んでほしいのが、第4章である。
「一流の成功者ほど実践している!住まいにまつわる17の習慣」と題して、具体的に、住まいの環境を整えるアドバイスをおこなっている。
ここにあげられている17の習慣のうち、私が最も関心を持ったのは、「自分しか座らない椅子を持っている」という項目である。
なぜ、「自分しか座らない椅子を持つ」ことが大事なのかは、是非本書を読んでご確認いただきたい。

それから、著者が、「鉄筋コンクリートの柱の側には座らないほうが良い」と書いているのも、気になった。
こうした知識は、著者の豊富な経験にともなって、引き出されたものである。
是非、本書に書いてあることを実践して、住まいの環境を整えてほしいと思う。

なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?〈電子書籍Kindle版もあります〉
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