『ゼロ秒思考[行動編] 即断即決、即実行のトレーニング』赤羽雄二/著

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「即断即決、即実行」のコツを、マッキンゼーで数々のプロジェクトに関わった赤羽雄二氏がまとめたのが本書である。
本書はシリーズ物ではあるが、これ一冊だけ読んでも、かなり役立つのではないかと思われる内容だ。

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「即断即決、即実行」は、猪突猛進とは明らかに異なるものだ。
「即断即決、即実行」とは、今ある状況を把握し、そのなかで、どのような選択肢があって、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを比較した上で、どのような決断を下すのかを素早く決断し、それをすぐに行動に移すことである。

著者は、人はなぜ即断即決ができないのか、説明している。それを一言で示せば「全体観」がないからだ、という。

本書では「全体観」を育て、即断即決できるようになるように、具体的なトレーニング方法が示されている。

全体観を構築するものは、①仮説構築力、②情報収集力、③観察力、④洞察力である。
これらの力を養うために「オプション」と「フレームワーク」の二つのトレーニングを著者は考案した。
「オプション」のトレーニングは、何かを実行するときに、そのための選択肢を思いつく限りあげて、それに優先順位をつけていくものだ。
一方、「フレームワーク」のトレーニングは、物事を整理するのに役立つものだ。
緊急度、重要度などで、やるべき事を整理するのである。

本書を読んで連想したのは、将棋のプロ棋士のことだった。
将棋のプロ棋士は、瞬時に最善手がひらめくという。
それでも、持ち時間を消費して考えるのは、それを確かめているからに過ぎない。
だから、テレビの将棋対局のような持ち時間の短い対局でも、露骨な悪手は出ないのである。
将棋棋士の持つこのような力は、著者の言う「全体観」というものだと思う。

私たちも、将棋のプロ棋士のように、それぞれの仕事で全体感を養いたいと思う。
情報処理能力を高めたい方には、是非読んでほしい一冊である。

ゼロ秒思考〔行動編〕〈電子書籍Kindle版もあります〉
ゼロ秒思考〔行動編〕〈電子書籍Kindle版もあります〉

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