夢や目標を、ただのひとつも持っていないという人はそうはいないだろうが、それに向けて実際に行動を起こしている人となると、ぐっと減ってくる。何故なら、面倒臭いからである。これは、願望の実現が降ってわいてくる訳ではないことに起因する。夢や目標が実現されている状態とは、現在の生活習慣とは、絶対に異なるものである。それを実現するためには、いま現在の状態から、踏み出さなくてはならない。これは、極めて面倒なことである。そのため、なんだかんだと言い訳をして、現状のままでいることを自分に許し、言い訳をする。それが多くの人間の姿である。本書は、このような、誰もがとってしまいがちな夢や目標を持ちながらも、はじめの一歩を踏み出すことが出来ない状態に対して、戦略の指針をしめす内容となっている。
結局は、やるか/やらないか
本書において著者が主張していることは、人生は一手の違いであり、つまるところやるかやらないかだけですべては決まる、ということだ。特に、思い立ったらすぐに行動するということが、何かを成し遂げようと思うのであれば必須であると、切々と訴える。そう、どんなに小さくても、夢や目標につながるものであれば、今すぐに行動にうつすことが大切なのだ。気分が高まっているときに、夢につながることに、少しでも取り掛かってみるのである。著者はこれを、焚き火を起こしたときにどんどん枝や紙をくべて火を大きくすることになぞらえる。行動という火種をくべて、炎を大きくしていくのである。
著者は、行動のベクトルを夢の実現にあわせると、成功する確率は格段にアップすると主張する。例えば、体力づくりをしたいのであれば、ひとつ前の駅で降りて歩いてみるというふうに、日常のなかで出来る簡単なことから手はじめにそれを実際に行うことで、自然と夢や目標に向けて、無理なく近づくことが出来るのだ。このようなやり方ならば、いま現在の自分のコンフォートゾーンを大きく破ることにはならないので抵抗なく継続することが出来、変化へのきっかけになる。
繰り返しになるが、結局は、やるかやならないか、それだけの話である。難しくもなんともないのだ。実際に行動を起こすこと、そして続けること。それのみが、願望実現に必要なことである。
「出来ない自分」を責めない!
だが、出来ない自分を必要以上に責めてはいけないとも、わたしは思う。以前も書いたが、自分に対して自信を失うことは、何も生み出さないし、むしろ害になるからである。
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では、どうすればいいのか。まず、「無理なく出来るようにするための仕組み」を作りあげることが、挫折をしないための条件となる。また、同時に、人生には何事にも「時」というものがあることも忘れずにいたい。今までどうしても、何をしても出来なかったことが、自然と出来てしまう。そんな巡りあわせがやってくるものだ。もし今現在、何をやっても八方塞のような状況であるのなら、今は実力を蓄える時期なのだと割り切って、じっと耐えるしかない。そこを抜けたときに、一気に花開くと信じて、やりすごすしかない。
人生で一番若いのは今この瞬間である!
タイトルには30歳という具体的な年齢があがっているが、本書の内容は、すべての世代において有効なものとなっている。人生で一番若いのは今であるという言葉があるが、夢に近づくための絶好の機会も、今この瞬間なのである。少しでも心が動いたことは、すぐ行動に移そう。きっと、その決断が人生を動かし、思いもよらない未来へと連れて行ってくれるはずである。
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