『話を噛み合わせる技術』 横山信弘/著

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この人とは、話が噛み合わない!そんな経験は誰にでもあるはずだ。

本書は、話が噛み合わない原因を解明することからはじめ、話が噛み合うようにする方法、それから話が噛み合いそうもない要注意人物の見分け方など、非常に多面的な視点から書かれている。

話が噛み合わない人というのは、おしゃべりな人に多い。
例えば、政治家。
国会中継や記者会見などを見れば、よく分かるが、まったく話が噛み合っていないことが多い。

話が噛み合わないパターンを探ってみると、以下の三つに分類できる。
あさっての方向
早とちり
結論ありき

それぞれの特徴を見ていこう。

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①の《あさっての方向》の会話では、どんどん話の論点がずれていってしまい、こちらが訊きたいことを、相手がまったく理解していないものだ。
「ところで」、「そういえば」、「ちなみに」などといったフレーズを繰り返す人は、このタイプが多いので要注意だ。

②の《早とちり》の会話では、こちらが最後まで話し終えるのを、待たずして相手が話し出すことが多い。
「わかってる、わかってる」、「要するにアレでしょ?」といったフレーズを繰り返すのが特徴的だ。

③の《結論ありき》の会話は、こちらが何を言おうと、相手が聞く耳を持たないものだ。
「~すればいいってもんじゃない」、「決め手に欠ける」、「見たことも聞いたこともない」こういったフレーズを繰り返す相手は、このパターンである。

これを読んでみて、こういった人が身の回りにいると実感する方は多いと思う。

まず、話が噛み合わない時は、その原因が何かを探る必要がある。
それから、いつでも話が噛み合わない人がいる、という現実を受け入れることも大事である。
そういった人物には見切りをつけること。

一つ例を示してみる。
《「言葉」だけをとらえて、何も考えずに反応する人》というのが、どこの世界にもいる。
以下のような会話をしたことが誰にでもあると思う。

私「あなたの部下は、まるで行動が変わってませんよ」
部長「そうなんです。まるで行動が変わらないんです」
私「行動が変わるように伝えて下さい」
部長「行動が変わるように伝えます」
私「どのように伝えるんですか?」
部長「そうですね。どうしたらいいんでしょうか?」
私「直接会って、強い調子で言ったほうがいいですよ」
部長「わかりました。直接会って、強い調子で言います」
私「しかし、あなたの部下はみんな海外にいますよね?」
部長「そうです。海外にいます」
私「半年に1回くらいしか会いませんよね?どうやって直接会いますか?」
部長「そういえばそうですね。どうやって直接会えばいいんでしょうか?」

まるでコントのような会話だが、たまにこういった人はいるものだ。
これは深く考えずに言葉の表面しかとらえない人の例を、極端に示したものである。
こういった人を見抜くには、5W1Hなどのオープンクエスチョンを使って質問してみると良い。
クローズドクエスチョンだと、イエス・ノーで答えてくれますが、オープンクエスチョンで尋ねると、とたんに「どうしたらいいんでしょう?」というように質問に質問で返してくるのだ。

本書は、話が噛み合わない具体例をふんだんに取り入れることで、その原因を嫌と言うほど実感できるように書かれている。
これほど、分かりやすく明快に書かれた本も珍しいと思う。
内容は大変、実践的なものであり、ビジネス、日常生活を問わず、いろいろな場面で大いに役立つことだろう。
また、高等戦術として、「わざと話を噛み合わせない技術」も紹介しているのが興味深い。
簡単に読み通せる本だが、非常に奥の深いものとなっている。

話を噛み合わせる技術〈電子書籍Kindle版もあります〉
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