デキる人は皆やっている一流の人脈術 島田昭彦/著 書評
人脈形成において必要なことは、相手のためになる行動することであるのは、言うまでもない。
変な下心を持たないで、そのひとに貢献すること。本田直之風にいえば、コントリビューションである。
たしかに、それが人脈形成の基本中の基本であるが、もし人間関係を円滑に進めていくためのスキルが存在するのなら、使わないのはもったいないという気もする。
本書デキる人は皆やっている 一流の人脈術 (アスカビジネス)には、そのためのアイデアが書かれている。
ここでは、贈り物をすることで、相手を喜ばせるやり方を一例として紹介しよう。
親しい人に何かをプレゼントするというのは、好意を示すための手段として、古くからのやり方である。
その際に、より喜ばれるためには、贈り物はありきたりでないほうがいいというのも、広く言われていることである。
その辺にいくらでも売っているようなものを渡すよりも、珍しいものがいいのは、自分がもらう立場を想像すれば、すぐわかる。
だが、だからといって、あまりに高価なものでは相手が負担に感じてしまうので、これもよろしくない。
もらって嬉しいプレゼントとは
では、何を贈ればいいのか。それはずばり、地方の名産品であると著者はいう。
遠くへ行った時にも、自分のことを思ってくれて、わざわざ買って来てくれた。
相手は、そんなことを、思って、より深い思いを抱いてくれるのである。
だが、各地の名産品を送ることは、あちこちへと出張が多い仕事をしているひとでないと、なかなか出来ないことである。
そうなると、あきらめるしかないのだろうか。ところが、裏技があると、著者は言う。
物産館でその土地の特産物を買って、さも現地で買ってきたかのように、お土産として渡すのである。
なんともえぐいやり方ではあるが、なるほど、その手があったかという印象を、わたしは素直にもった。
もっともこれもまた、各地の物産館がある東京などの都市部でないと出来ない技であるが、やってみると効果的かもしれない。
物はためし、さっそく実践してみたらいかがだろうか。
人間というものは、自分を気にかけてくれる存在が、好きになるものだ。
なぜなら、この世界で、そんなふうに接してくれる存在は、そうそういないからである。
この星には、何十億という人間がひしめいているが、そのうちの、いったいどれほどのひとが、自分とかかわりがあるか。ほんの、わずかな人だけである。
そのわずかな縁をもった人たちと、より密な交際を結んでいくことが、たしかな幸せと、日々の充実をつくっていくのである。