『リアル行動ターゲティング』横山隆治 楳田良輝/著

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スマホの普及によって、これまでの広告手段は、効果的に消費者にアプローチしにくくなってきている。
事実、広告業界では、テレビCM、新聞広告、折込チラシ、雑誌広告、中吊り広告等々、従来の広告手段は、時代遅れなものになりつつある。
朝、起きればスマホを覗き込み、睡眠中にラインやツイッターがどれだけ更新されたのかをチェックするのが、現代の若者の日常である。
もちろん、朝から新聞を読むこともなければ、テレビを見ることもない。
通勤中も、スマホに夢中で、中吊り広告に目を見けることもない。これでは、これまでの広告手段が通用しなくなるのは至極当然である。広告業界にとって、スマホの普及は、厄介な事態なのだ。

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 スマホを利用したマーケティング

こうした潮流のなかで、新しいマーケティング方法を著者は提唱している。
それが「リアル行動ターゲティング」だ。

リアル行動ターゲティングは、スマホの普及を逆手にとったものだ。
スマホの特性を利用したマーケティング方法である。

スマホには位置情報の機能がある。
スマホの位置情報のデータを、広告会社が手に入れれば、いろいろなことが分かる。

まず、居住エリアの位置情報がつかめる。
これだけでも、伝統的な住宅街に住んでいるのか、新興住宅街に住んでいるのか、集合住宅の多い地域に住んでいるのかといったデータは得られる。

 スマホの位置情報から…

しかし、居住エリアの位置情報だけではなく、もっと重要なことが分かる。
例えば、始発に近いような早朝の電車で都内の職場へ向かうビジネスマンと、昼近い時間に、のんびりと出社し、夜遅くまでオフィス街にいるようなマスコミ関係のビジネスマンとでは、毎朝見るテレビ番組も、帰宅後にチェックするニュース番組も、それぞれ異なるはずである。

位置情報を追っていけば、何時ごろに出社して、何時ごろに帰宅するという生活のリズムを掴むことが可能だ。

 スマホからライフスタイルのデータが

こうした「エリアと時間帯」という二つの要素を分析することによって、どんな人なのか、どんな生活パターンなのかが、把握できるのである。
広告主は、ターゲットとなる人のライフスタイルに合わせて広告を出すことが可能になるのだ。

もちろん、こうしたことはプライバシーの問題との兼ね合いもあるので、広告会社は、法制に従った正しい取り扱いをする必要がある。
ユーザー側には、自分のデータを取得、利用されることへの選択権がある。

 スマホ時代に有効なマーケティングや広告を

著者が提唱するリアル行動ターゲティングは、広告主にとっても、消費者にとっても、有益なものになると思う。
広告主としては、ターゲットを絞り込んだ、効果的なアクセスをすることが可能になるし、消費者としても一度クリックしたからといって、何度も興味の無い広告を見せられるよりも、自分の関心に近い広告を見せられるほうが有益なことのように思う。

リアル行動ターゲティング〈電子書籍Kindle版もあります〉
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