ロビー活動とは何かがわかる入門書 『誰でもできるロビイング入門』 明智カイト/著

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「ロビイング」、「ロビー活動」というと、経団連や日本医師会、農協などの業界団体が、自分たちの利益を守るために活動している、というイメージがあるが、本書はロビイングは誰でもできるものだと主張する、いわばロビイングのマニュアル書である。

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ロビー活動の意味と方法を解説

著者は、性的マイノリティの問題に関わってきた社会起業家であるが、本書は、認定NPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹氏をはじめとする4名にインタビューをおこない、彼らのロビイング活動の経験を盛り込むことで、ロビイングの実際を、知ることができる。

フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏は、「事業」と「ロビイング」が、社会を変えていく車の両輪である、と語る。

NPO法人の「実態」

もっともフローレンスのようなNPO法人が「事業」というと、疑問に思う方が多いかと思う。NPO法人というと、無給で活動しているものだと思い込んでいる方が多いが、これは誤解である。

アメリカでは、1980年代のレーガン政権によって、NPOへの補助金が打ち切られ、NPO法人は経済的に自立する必要性に迫られたのであった。
そして、自分たちで収益を確保して、その資金をもとに社会的事業に還元するという仕組みを構築したのだった。現在のソーシャルビジネスの原型は、ここにあるのだ。

デモをするよりもロビー活動のほうが社会を変える可能性が高い

社会を変えるためには、政治家になるより、ロビイストになるのが手っ取り早い。これが、本書を貫く主張である。実際に著者は、ロビー活動を通じて、政治家の政策提言にかかわってきた。デモをするよりも効果的だと語る。

著者は、イソップ童話「北風と太陽」にちなんで、デモを北風、ロビイングを太陽に喩えている。政治家や公務員を相手にした場合、デモよりもロビイングのほうが有効な手段である。

ロビイング活動は、それぞれの運動の性質によって大きく異なってくるが、本書で紹介されているロビイング活動の具体的事例を見ることで、大きなヒントを得られるものだと思う。

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