人生を一変させるようなチャンスをものにするには、どうすればいいのだろうか。そのためには、そのチャンスをつかむにふさわしい人間になることが、前提となってくる。まず、自分がある状態になっていなければ、ことは起こらないのである。本書は、日常のなかから小さな気づきを得ることで、そこからヒントを見つけて自分を向上させていくことをテーマに執筆活動を続けている著者のデビュー作であり、その本質がつまった一冊である。
運をよくする方法とは?
では、具体的にどのようにすれば、運が向いてくるのだろうか。著者は、まず自分のこころを喜ばせることからはじめようと提案する。こころがすがすがしくなることで、プラスのパワーが生まれるのである。
例えば、成功者には早起きを実践している人が多いが、これも、早朝のすがすがしい雰囲気をいっぱいに楽しみ、それが相乗効果となって、さまざまなものに積極的に取り組んでいく姿勢となって、成功のスパイラルを上っているのではないだろうか。朝からシャワーを浴びたり散歩をしたりすることで、しゃきっとした気持ちになって、リフレッシュしたうれしい気持ちになる。このように、著者は、自分が楽しく感じるように過ごすことの重要性を訴える。
引き寄せの法則、鏡の法則
また、人間関係は、自分の反映であるという指摘も鋭い。よく、自分が親しく付き合っているひと全員の年収を足して人数分で割ると自分のそれに近いという話があるが、人間に限らず、この世界は同質のもの同士が固まるように出来ている。抜け出せない範囲こそ、自分のレベルであると著者は述べる。つまり、今現在の自分の限界であるのだ。
だが、それは自らが変化することで、そのリミットは越えることができる。つまり、成功したければ、精神のレベルをアップさせていけばいいのである。そのためには、プラスの行動をすればいいのだ。自分の心が喜ぶ行動であり、かつ、それがちょっとでもまわりのためになるようなことであったら、より素敵だろう。そうすると、交友範囲が自然と変わってきて、気がついたら、まったく異なる風景を見下ろしている自分に気がつく、ということになるのだ。
コンフォートゾーンを越えることで、引き寄せの法則が働く
著者は、自分が当然と思っている「当たり前」の違いこそが、レベルの違いを表すものだと述べているが、そのとおりだと思う。成功している人は、ただ自分がそう意識していないだけで、みなプラスのパワーで動いてきた人である。そのためには、まずは自分の心を喜ばせることから始めよう。わたしたちは、自分が持っているものしか、人に分け与えることが出来ない。それが、この世界のルールである。人を幸せにしたいのならば、まず自分が幸せにならなければならないのだ。